カフェが閉まる理由は、だいたい同じだ。

売上が足りない。それだけだ。でもその「売上が足りない」に至るまでには、最初の計画の甘さがある。うちの場合、それは来客数の読み方だった。

「賑わっているエリア」の罠

オープン前、立地の調査はした。人通りを数えた。近くにはファミレスがあった。駅も近い。「このエリアなら大丈夫だろう」と思った。

でもそれは全部、隣の店のお客さんを見ていただけだった。

自分の店に来るかどうかは、別の話だ。知名度ゼロ、SNSもない、口コミもない状態で、通行人の何パーセントが初めての店に入るか。その計算を、していなかった。

実際の数字

オープン初月は、相当苦戦した。

そもそも、どのくらいの来店数が必要なのかなど、全く計算すらしていなかった。

損益も計算できる余裕がなく、一体、いくら損失を出しているのかもわからないし、どのくらいの来店数があれば儲けになるのかもわからない状態だった。

単価の決め方もいい加減だった

来客数だけじゃない。単価の設定も感覚でやっていた。

「このエリアの相場」を見て、少し安く設定した。集客のためだ。でも考えてみれば、安くしたところで、来客数目標すらないので、意味がない。

むしろ、来ない客のために単価を下げていた。来た客からもらえる金額を、自分で削っていた。

正しい順番は逆で、まず来客数の現実的な予測を立てて、そこから必要な単価を逆算するべきだった。

何ヶ月目でヤバいと気づいたか

最初の1ヶ月は「まだオープンしたばかりだから」と思えた。2ヶ月目は「認知が広がってくれば」と思えた。3ヶ月以降は、「なんでお客さんが増えないのだろうか」と思った。もう少しがんばれば、と10年近く続けたが、さすがにキャッシュが底を尽きそうになって、もう、無理だと思った。


カフェを開きたいと思っている人に、一つだけ聞いてほしい。

「1日何人来ると思っていますか?その根拠は何ですか?」

感覚や希望ではなく、数字で答えられるかどうか。それが最初の分かれ道だと思う。

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